暗号資産(仮想通貨)が投資対象として注目され早10年。
暗号資産への投資は、特別な知識がいらないので初心者でもかんたんに始めることができる上に、将来性があって高いリターンが見込めます。
しかし近年、初心者や若者を狙った詐欺行為が増え続けています。
実際に詐欺の被害に遭う人が後を絶ちません。
そこで本記事では、暗号資産の主な詐欺手口から対策方法まで徹底的に紹介します。
最後までご覧いただければ、実際に詐欺の被害に遭う確率が下がってあなた自身の資産を守ることができますよ。
目次
暗号資産詐欺とは
暗号資産の詐欺とは、暗号資産に関係する詐欺行為全般を指します。
暗号資産市場は注目されているにもかかわらず、法律や規制が整備されていません。
そのため、悪意ある者が隙をついてくるのです。
さらに、詐欺師は旬な話題や流行に敏感で人を騙すプロ。
米国連邦取引委員会の調査報告を以下に引用します。
FTC(米国連邦取引委員会)の調査では、2020年10月から2021年5月までの間に、数千の暗号資産詐欺が発生し、8,000万ドル(7,100万ユーロ:92億円相当)に及ぶ被害があったとされる。
引用元:FTC(米国連邦取引委員会)
このように、詐欺によって多額の被害が報告されています。
暗号資産詐欺の主な手口
暗号資産の詐欺を防ぐためには、詐欺の手口を知ることも重要になります。
なぜなら、手口を知っていれば被害を未然に防げる可能性が高まるからです。
実際にある暗号資産詐欺の手口は以下の通り。
暗号資産詐欺の主な手口
- マッチングアプリ
- フィッシング詐欺
- ギブアウェイ詐欺
- 情報商材
- 投資勧誘
- ICO(Initial Coin Offering)
それぞれの手口を知っていれば、暗号資産の詐欺に遭う可能性はぐーんと下がりますよ。
マッチングアプリ
最近、特にトラブルが多いのがマッチングアプリを利用した詐欺行為です。
マッチングアプリのみならず、SNSや出会い系サイトなども含まれます。
具体的な手口は以下の通り。
マッチングアプリの詐欺手口
- 最初は普通にメッセージのやり取りをする
- 信頼関係が築けたころに暗号資産の投資を勧められる
- 国内の暗号資産取引業者から海外の取引所やサイトに送金させられる
- その後、アクセスができなくなり騙されたことに気付く
この手口の巧妙なところは、最初は多少なりとも利益が出て信じ込ませる点です。
そのまま相手の指示通りに行動すると、追加投資を要求されて損失が生じたり、アカウントが凍結されたりして投資資金が回収できなくなります。
マッチングアプリを利用した詐欺は、性別に関係なく注意が必要です。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、インターネットを利用する人から個人情報やログインパスワードを盗み出す行為です。
実在する企業やサービスのメールを送ったり、ネット広告やSMS経由で偽サイトにアクセスさせたりする手法が一般的。
フィッシング詐欺の手口
- 本物そっくりの偽サイトに誘導
- ログインのためメールアドレスやパスワードを入力
- 詐欺師が入力データを使って本物のサイトに不正ログイン
- あなたのお金やクレジットカード情報を盗み出す
偽サイトは、本物そっくりにデザインやURLを巧妙に作り変えているのでひと目では区別がつかないほど。
暗号資産の場合、オンラインウォレットと呼ばれる暗号資産の財布のようなものが標的になります。
実際には、偽サイトからログインを促しウォレット内の資産にアクセスするために必要な秘密鍵の情報を盗みます。
そして、秘密鍵の情報を入手したらウォレット内の暗号資産を盗むのです。
フィッシング詐欺に関する詳しい情報は総務省の「国民のための情報セキュリティサイト」をご覧ください。
ギブアウェイ詐欺
ギブアウェイ詐欺とは「振り込みしてくれた額を2倍にして返す」といった説明で金銭を振り込ませる詐欺です。
TwitterやFacebookのSNSやYouTubeでも行われている詐欺行為で、多額の被害が報告されています。
ギブアウェイ詐欺の手口
- 著名人や有名人、インフルエンサーを装ってSNSアカウントを偽装する
- 画像内テキストやリンクから偽サイトに誘導
SNSの偽アカウントは、本物そっくりに作られています。
暗号資産の場合「指定した額の暗号資産を送金すれば数倍にして返す」と謳い、海外の取引所に送金させるケースが多いそうです。
情報商材
お金儲けのノウハウと称して、高額を騙し取られる詐欺行為を指します。
また、情報商材は冊子やDVDといった物だけではありません。
たとえば、情報商材をきっかけに高額なコンサルティングやビジネスセミナー、ソフトウェアを契約させられるケースもあります。
さらに、契約書にもアフィリエイト、ビジネスサポート、コンサルティング、業務委託などの名称が用いられることがあるそうです。
情報商材を使った詐欺の手口
- 情報商材や高額収入を得る方法を教えると広告などを見て連絡する
- 高額な契約をすれば副業や投資で儲けることができると勧誘される
- 実際は説明と違って儲からない
「100万円が1億円になる投資法」
「1日3時間の作業で月に100万円以上を稼ぐ」
上記のような謳い文句で高額な情報商材を売られたり、高額なコンサル費用やセミナー費用を要求されたりします。
投資勧誘
暗号資産に関する詐欺的な投資勧誘が多発しています。
たとえば、AI技術を活用したアービトラージプラットフォームの提供を謳い、日本人向けにウェビナーを開催し運用資産を暗号資産で募っている事業者もいるそうです。
アービトラージとは
数多くある証券会社や暗号資産取引所で生じる価格差を利用して利益をあげる投資方法のひとつ
ウェビナーとは
Webとセミナーを合わせた造語でインターネット上で配信するセミナーのこと
また、金融庁や証券取引等監視委員会の職員を装った投資勧誘も発生している事例があります。
金融庁や証券取引等監視委員会の職員は、投資に関して情報提供やアドバイスを行うことは一切ありません。
詐欺的な投資勧誘に関する詳しい情報は金融庁のホームページをご覧ください。
ICO(Initial Coin Offering)
ICOとは
企業が暗号資産を発行し、それを購入してもらうことで資金調達を行う方法
これまでの企業による資金調達は株式を発行し、IPO(株式の新規上場)を行っていました。
しかし、株式を上場するためには多くの審査とコストがかかります。
ICOなら、審査の手続きが不要なためスムーズな資金調達が可能です。
ちなみに、ICOは「クラウドセール」「トークンセール」「トークンオークション」と呼ばれることもあります。
また、ICOにより発行されるトークンは以下の高いリスクがあるので要注意です。
一、価格が暴落する可能性
トークンは価格が急落したり、ある日突然無価値になったりする可能性が極めて高いです。
一、詐欺の可能性
一般的にICOでは、ホワイトペーパーが作成されます。
ホワイトペーパーとは
ICOにより調達した資金の使い道や実施するプロジェクトの内容、トークンの販売方法を記した文書のこと
しかし、ホワイトペーパーに掲げられていたプロジェクトが実施されなかったり、約束されていた商品やサービスが実際には提供されなかったりします。
暗号資産詐欺の具体的な事例
画像出典元:消費者庁
事例1は典型的なギブアウェイ詐欺、事例3は詐欺的な投資勧誘ですね。
事例4に至っては、最近流行っているマッチングアプリを利用した詐欺になります。
何にせよ、限りなく0%に近い確率で詐欺によって失ったお金は戻ってきません。
なので、注意しましょう。
また、消費者庁は他にも気を付けてほしい事例として以下の3つを挙げています。
画像出典元:消費者庁
暗号資産詐欺の対策
ポイント
- 暗号資産の基本的な知識を身に付けておく
- うまい話や確実に儲かる投資話は絶対にない
- 少しでも怪しいと思ったら自分で調べる
上記3つが暗号資産詐欺にもっとも有効な対策といえます。
逆にいえば、3つの対策を守りさえすれば詐欺に遭うことはほぼないはず。
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
暗号資産の基本的な知識を身に付けておく
正しく基本的な知識があれば、まず騙されることはないでしょう。
なぜなら、詐欺師は知識の少ない人をターゲットにしているからです。
たとえば、早く利益を上げたい意識からうまい話に対して「儲かりそうだな」「チャンスかも」と知識がないと飛びつく可能性があります。
そのため、本を読むなどをして暗号資産に対する最低限の知識は身に付けておけば詐欺は防げるでしょう。
暗号資産の投資をやってみようかなとお考えの方におすすめする入門書です。
うまい話や確実に儲かる投資話は絶対にない
そもそも投資にうまい話は絶対にありえません。
なぜなら投資は、利益を見込んで株や暗号資産にお金を出すことだからです。
つまり、実際のところ儲かるかわかりません。
たとえば、暗号資産の場合はアメリカの専門家がビットコインは2030年までに1億円を超えると予測しています。
画像出典元:coindeskJAPAN
しかし、あくまで予測です。実際どうなるかは誰にもわかりません。
おそらくですが、個人的には2030年になっても1億円は超えないと思っています。
経済の専門家や投資家ならある程度の予測はできるかもしれませんが、投資において絶対に儲かるなんてありえません。
少しでも怪しいと思ったら自分で調べる
暗号資産自体の投資は、詐欺ではありません。
しかし、聞いたことがない通貨や海外の取引所などの場合は、ご自身で納得いくまで調べてください。
たとえば、顧客が読めるホワイトペーパーがあるか、金融庁に登録されている取引所かを調べましょう。
調べてもわからなければ、信頼できる人に聞いたりSNSで聞いたりするのもいいでしょう。
自分で調べるクセをつけておけば、詐欺は未然に防げます。
暗号資産詐欺にもし遭ったら?
メモ
- 相談センターに問い合わせる
- 弁護士に相談する
ただし、前述した通り詐欺で失ったお金はほぼ戻ってこないと認識しておきましょう。
なぜなら詐欺犯罪は、詐欺師側の所在やお金の流れが特定しにくいため、返金されない可能性が高いからです。
たとえば、内閣府の資料によると詐欺全体の返金率は約60%です。
画像出典元:内閣府
暗号資産詐欺における返金率は、おそらくもっと低くなるはずです。
以下から、暗号資産詐欺に遭った場合の2つの対処法を詳しくご説明します。
相談センターに問い合わせる
まずは、相談センターに電話しましょう。
詳しい窓口や電話番号は下記の画像を参照してください。
画像出典元:消費者庁
詐欺に遭ってこれからどうしたらいいの?にアドバイスをくれるはずです。
弁護士に相談する
できれば、暗号資産や投資詐欺に知見がある弁護士に相談しましょう。
弁護士なら、法的なアドバイスをする立場から中立的な意見がもらえます。
たとえば、以下の2点がわかります。
- 返金の可能性があるか判断してくれる
- 今のあなたが取るべき対応を教えてもらえる
また、相談の内容を親身に聞いてくれるでしょう。
ちなみに、僕も41年の人生で一度だけ弁護士に相談したことがあります。
思ったより敷居は低かったですよ。
詐欺に遭うとおそらく、絶望感や怒りが沸騰することでしょう。
弁護士は、とっても心強い存在になりますよ。
暗号資産詐欺には気をつけて
年々、暗号資産関連の詐欺行為が増加しています。
昔から「うまい話には裏がある」といいますが、暗号資産の世界では特に注意が必要です。
元本を保証するなどうまい話は決して鵜吞みにせず、正しい知識を身に付けることや自分で調べるクセをつけるようにしましょう。
また、目的を持って暗号資産の投資をすることも大事です。
暗号資産詐欺には十分気をつけて、投資は自己責任の認識を持って行いましょう。
あなたが暗号資産詐欺の被害に遭わないことを切に願っています。
41歳|HSP|ビットコインとイーサリアムを保有|NFT(LLAC)保有|愛猫の千尋(ちーちゃん)を溺愛|
20代に製造業を転々とし30代で物流業を転々|トータル20社以上転職を繰り返す。39歳に自分はHSPだと知る。暗号資産とブログで1億稼ぎ人生を引退するのが目標。愛猫とのんびり穏やかに暮らしていくのが夢。